
ISO14001の認証取得を取得している自治体がいくつかあります。千葉県白井町(人口:5万人、認証取得範囲職員数:約380名)が98年1月30日に自治体としてはじめに認証を取得しました。続いて新潟県上越市が98年2月24日に、また滋賀県の工業技術総合センターが98年3月6日に登録をすませています。
また、公的機関としては、三重県の外郭団体である(財)三重県環境保全事業団では96年11月にISO14001の認証を取得し現在、当財団は審査登録機関として認定を受け、活動しているほか、企業向けのセミナー等を開催しています。
都道府県・政令市におけるISO14001取得への取り組み状況
平成10年3月現在:通産省調他より
自治体 |
県・市の取得への取組(千円) |
市町村の状況 |
岩手県 |
金ヶ崎町が検討中(1〜2年以内) | |
茨城県 |
庁内検討会、階層別検討会、職員研修 (1,215) | |
千葉県 |
白井町認証取得(H10.1) | |
神奈川県 |
産業技術総合研究所が検討中 | |
東京都 |
ごみ、下水道施設が取得予定(H11) | 板橋区が取得予定(98年度中) |
新潟県 |
上越市認証取得 (H10.2) | |
静岡県 |
環境衛生科学研究所が取得予定(98年度中 3,500) | |
岐阜県 |
木曽川右岸流域下水道事業が取得予定(3,500) | |
三重県 |
伊勢市、海山市が認証取得の意向あり | |
石川県 |
6月補正で対応予定 | 金沢市が取得予定 |
大阪府 |
府庁が取得予定(1〜2年以内) | 大阪市環境科学研究所・土木研究所が取得検討中 |
京都府 |
予算要求の予定 | |
滋賀県 |
大津市でシステム導入の動き | |
熊本県 |
水俣市が検討中 | |
大分県 |
知事が認証取得表明 | 日田市が取得中(4,000) |
仙台市 |
審査登録機関の選定等(1〜2年以内) | |
名古屋市 |
市環境科学研究所が取得予定(2,000) | |
大阪市 |
調査研究実施(5,000) | |
北九州市 |
検討中 |
このほか、認証取得をする予定はないが、EMSを導入している自治体があります。その代表としてまず、板橋区をあげることができるでしょう。
板橋区では平成6年3月に「アジェンダ21いたばし」を策定しました。この中に『「環境自治体」にふさわしい取組体制の確立』ということで『「環境自治体」としての全庁的な取組が必要であるため、行政内部の横断的な組織を整備し、環境監査制度の実施等について検討すること』が提案されていました。また、国が「国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取組の率先実行のための行動計画」を策定したことも受けて、板橋区では平成9年3月に「板橋区庁内環境管理・監査システム」を策定しています。
板橋区の環境マネジメントシステムは「事業者・消費者としての板橋区の環境保全に向けた率先実行計画」を中心に組み立てられています(平成9年3月策定)。率先実行計画の中には基本理念、基本方針が掲げられています。また、基本目標(統一目標)として区の行政活動に伴う二酸化炭素の排出量削減を数値目標で設定しています。さらに、以下のような8つの課題別計画が設けられています。
(1)フロン等削減対策
(2)省エネルギー対策
(3)省資源・リサイクル推進対策
(4)自動車対策
(5)グリーン購入対策
(6)建築・土木工事対策
(7)計画策定時の環境配慮対策
(8)職員の意識向上対策
特徴的なのは、「計画策定時の環境配慮対策」という項目を設けている点でしょう。「行政計画の策定にあたっての配慮指針」を設け、「区の策定する総合的な計画の中で、土地利用や施設配置等、環境への関わりの深いものに関しては環境への配慮を盛り込む」ことを示しています。こうした項目は国の率先実行計画には見あたらない項目です。
推進体制は以下に示す通りです。
板橋区庁内環境管理・監査システム 推進体制

もう一つの特徴として、システム監査だけでなく、「目標値達成状況監査」を行い、その監査結果を環境報告書にがあげられます。こうしたことを明記することは、率先実行としての意味あいももつ自治体としては、やはり必要なことでしょう。
板橋区ではこうした一連の取組のための課題別指針・マニュアルを作成し、それに基づいた推進を行っています。
EMS導入のための手引きやマニュアルが欲しいが、ありますか?
自治体のEMS導入の参考資料の1つに、英国のEMASガイドがあります。EUのEMASは製造業向けの制度ですが、英国には、これを自治体むけにアレンジした自治体EMASの制度があり、認証を受けて登録を行うこともできるようになっています。その登録を目指す自治体への手引き書、あるいは認証・登録は目指さないがEMS構築を図りたい自治体への参考資料として、EMASガイドは作成されました。その日本語訳「英国地方自治体のためのエコマネジメント・監査制度ガイド」は、下記の発行者より印刷費程度で配布されています。このガイドの紹介は、発行者のホームページにも掲載されていますが、EMS導入の各ステップに対してワークシートが用意されており、実務的なガイドとなっていること、直接的な環境影響だけでなく、サービス影響(自治体サービスによる間接的影響)も扱っていること等から、日本の自治体関係者にとっても非常に参考になる内容と思われます。
* 東日本地区の問合せ先:東京自治研究センター
* 西日本地区の問合せ先:地球環境センター(http://www.unep.or.jp/gec/index-j.html)
「建設業の環境マネージメントのすすめ(環境自己評価プログラムとその使い方)」
:CSD研究会編*、1996年2月
この本は、自治体の活動の一部としてある、建物や公共設備などの建設等に係わるの部分に活用が可能と思われます。
環境自己評価プログラム(Environmental Self-Assessment Program:ESAP)の考え方は、1992年に米国のGEMI(Global Environmental Management
Initiative)により開発・発表されたものである。この本で紹介している「建設業における環境自己評価プログラム(建設業のESAP)」は、製造業をイメージして作成されたGEMIのESAPを参考に、建設業の特徴にあわせて作成されたものである。建設業のESAPの開発においては、GEMIも参考にしたICC産業界憲章の他に(社)日本建設業団体連合会「環境保全行動計画作成の手引き」、経団連「地球環境憲章」の各項目を比較検討しながら、評価項目体系を9原則49項目に取りまとめている。
建設業のESAPは、企業における環境実績の段階的な向上ステップ4段階に分けてを具体的に示したもので、環境管理システム導入の有効なツールとなっている。さらに使い勝手をよくするために、本書では各評価段階にキーワードと参照データを示している。
ESAPは以下の段階に使用することができる。
@事前調査のツールとして
A環境パフォーマンス評価のツールとして
B内部環境監査のツールとして
また、EMSの各ステージでESAPを適用することによるメリットとしては、以下のものがあげられる。
@定量的な現状把握が可能である。
A社内の評価者で対応できる。
B導入に対し抵抗感がない(事業所間の比較に意味がないため)。
CEMS導入・確立の手引きとなる。
D環境リスクを発見し、未然に防止・低減できる。
購入についてのお問い合わせ先:
発行所:(株)ミッション TEL.3353-3786
(手軽に評価・集計ができるWindows用のパソコンソフトもある。)
*CSD研究会:環境保全型社会を実現するための方法を研究するバルディーズ研究会の建設業分科会メンバーの呼びかけにより、1993年に“持続可能な社会を目指す建設業研究会(CSD(Construction companies for Sustainable Development)研究会)が発足した。建設各社の地球環境関連部門の実務担当者の自発的な研究グループである。
ISO14001は、全ての組織で適用できるように作られた規格ですので、企業以外でも自治体、病院、学校、組合等の組織活動を行っていれば認証取得可能です。
最近では千葉県白井町が1998年1月に取得しています。また新潟県上越市や北九州市、仙台市、岐阜県もISO14001認証取得宣言をしています。
自治体を一つの組織体と考えた場合、そこでの活動が環境に与える影響は1企業よりはるかに大きい場合があります。また、自治体が主体となって行われるサービス、策定される諸政策は地域に密着しており、そこに住む人達(納税者)との利害関係は複雑です。
自治体での環境への取り組みは、悪臭対策やゴミ問題、子供達の自然観察会の主催に至るまで幅広い分野にまたがっており、条例の施行から環境教育による啓蒙普及活動などその活動は様々です。また、地域内にある企業の公害監視、指導など従来からの活動も環境管理・監査の範疇としてとらえることもできるでしょう。最近では、積極的に快適な環境を創造することも自治体の重要な施策となっています。
市役所の建物、敷地内で行われる諸活動や、自治体で管理する公共施設の廃棄物管理、騒音など環境配慮を求められるところは多岐にわたっています。しかし、これらさまざまな活動を体系的に管理し、自治体のサービスにおける環境パフォーマンスを継続的に向上させる努力は、企業同様まだ始まったばかりです。税金という限られた財源を環境問題に有効に配分するためには、あるいは今後どれだけの予算を環境問題にヒト、モノ、カネを分配してゆくかといった問題は、企業よりも難しい面があります。企業における環境管理と自治体における環境管理の相違点を下表に示しました。これらの相違からも明らかなように、一般に自治体の環境パフォーマンスを評価するのは企業のそれに比較して困難といえます。
この表からもわかる通り、自治体と企業の連携は環境保全・創造活動にとって大きな役割をもっているといえます。
| 表 EMSにおける企業と自治体の主な相違点 | ||
| 企業 | 自治体 | |
| 活 動 | 営利私的サービス | 非営利公的サービス |
| 財 源 | 営利活動による収入 | 税収、補助金 |
| 利害関係者 | 株主・債権者など限定的 | 地域住民など不特定 |
| 合意形成方法 | トップダウン | ボトムアップ |
| 管理対象 | 経営活動に関る製品、サービス、施設など限定される | 行政区域内の自然環境、生活、産業、交通、公共施設など広範囲 |
環境監査研究会事務局
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